EOS10D日記その21
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2007.10.37 AUCTION TEAM KÖLN - 10 Plasmat 1:2/9cm到着
Hugo Meyer & Co - Goerlitz. No 291549. Plasmat 1:2. F-9cm. D.R.P. Dr. Rudolph.
落札から17日目に到着しました。ドイツ郵便局のBusiness Paketというもので、郵便局から配達されました。落札手数料とそれに対するドイツの税金まで含めた総額で税関に申告してありました。しかしながら、税金はかからないとのこと。これは多分配達した人の勘違いだと思います。きっと、後で請求書が来るんじゃないかと思います。
これはeBayに出ていた写真ですが、この通りの物でした。
ダンボールの中に緩衝材で浮かせたダンボールが入っており、丁寧な包装でした。落札したオークションの立派なカタログも入っていました。
小さな箱の中に緩衝材、プチプチ、柔らかい紙の順で包んであります。これなら何があっても大丈夫でしょう。
前玉と後玉をはずしたところ。
非常に硬かったのですが、無事全部のレンズをばらばらに分解することができました。少し曇っていたのですが、コーティングなどない時代のレンズですので、クリーニングペーパーにクリーニング液をたっぷりつけて、力まかせに磨いたら、ピカピカになりました。
第一群。本に書いてある通りです。
第二群。ずいぶん平べったいです。F1.5ではここが突出しているのとは対照的です。もちろんF2.0の方が古いのですが。
第三群。こちらも平べったいです。
第四群。第一群より少し小さいです。貼り合わせですが、凸レンズのコバは非常に薄いものです。
直進ヘリコイドの動きが悪いのでよく見ると、ビスが2本しか打たれてなく、1本欠落していました。
うまく合うビスを探し出して打ったところ、多少ヘリコイドの動きがよくなりましたが、以前動きは悪いです。
ヘリコイドに手書きでシリアルナンバーが書いてあります。
ちょっと字が読みにくいですね。
拡大すると、
Hugo Meyer & Co - Goerlitz. No 291549. Plasmat 1:2. F-9cm. D.R.P. Dr.
Rudolph.
と書いてあります。絞り値の刻印は見事な√20系列ですね。小数点以下2桁の絞り指標は初めて見ました。後のF1.5は普通の√2系列です。
でっかいライカのレンズのようですが、このヘリコイドではレンズが重くて支えきれていません。レンズを上に向けると均等に力がかかるのでスムーズなのですが、横を向けると重さに耐えかねて、ヘリコイドが回りません。力任せに回すしかないですね。
とりあえず暫定マウント。まず、EOSマウントをFDのリングに瞬間接着剤で貼ります。レンズとたまたま同じ太さなので、ガムテープで巻いて改造終了。
左が1:1.5/9cmで、右が1:2/9cm。レンズの大きさは違いますが、同じキャップが使えます。
長さもだいぶ違いますね。第二群と第三群の曲率が違うためだと思われます。
2007.10.36 ISOSTIGMAT PENTAX67マウント
R&J BECKのアイソスチグマーをペンタックス67マウントに改造しました。ちょうどぴったりのがらくたが見つかったので、ちょっとヤスリで削って、金槌でレンズを叩き込んで、ペンタ67の中間リングの接着剤で止めれば終了。約30分の作業でした。
こういう金具は作れませんので、レンズを買ったときにただでもらったり、100円くらいなら買っておきます。引き出しの中はがらくただらけになりますが、適切なものが見つかったときはうれしいものです。
9.5インチですから240mmのはずですが、こんなに長くなります。ペンタ67の中間リングを使う利点は、分解して持ち運べる点です。
前から見たところ。貼り合わせもコーティングも全くない5群5枚の古典レンズですので、バルサム切れとかカビとかの心配は無用です。窓ガラスと同じで、拭けばきれいになります。
内面反射の確認。レンズを明るい窓や電灯の方に向けて、マウント側から覗きます。市販の中間リングなので、ほとんど反射はなく、良好です。
2007.10.35 IrfanView
QV-LINKが使えないので代わりのソフトを探したら、 IrfanViewというフリーソフトが見つかりました。IrfanViewの方が便利かもしれません。以下は個人的なメモ。これだけ覚えれば私の作業はぼぼカバーできます。
IrfanViewのショートカット:
Ctrl-R リサイズ
Shift-C 選択範囲指定
Ctrl-Y 切り取り
Alt-FS 名前をつけて保存
2007.10.34 Windows Vistaだいぶ改善
今日は10月34日。ついに日付も31日の壁を突破し、なんてはずはなく、まだ27日です。実際の日より先の日付の日記を書くのは気分がいいものですが、残念ながら混乱しますので、やっぱりやめようと思います。日付調整のため、今月は40日くらいまで行き、11月から正常に戻そうと思います。
さて、Vistaですが、だいぶ改善してきました。
○ 試しにPhotoshop Elements 2.0をインストールしてみたら問題なく使えるようです。3.0だけ変な拡張命令を使ったんですね。きっと。別に2.0でも問題ないので、とりあえず当面は困りません。
○ エアエッジのインストール完了。こちらは別に問題なく終了しました。
○ CFをPCMCIAで使うカードバスアダプタBuffalo RCF-CBAのドライバのインストールが一応終了。インストール中にVistaがいきなりダウンし、一時はどうなるかと思いましたが、結果オーライ。
一応これで何とか使えるようになりましたが、新たな問題も発覚。
- ホームページビルダー6(大変古いソフトです)で、リンクの多い(この場合660リンクほど)のファイルを保存できない。実はXPでもリンクの多いファイルの保存には異常に時間がかかっていたのです。Vistaになってさらに悪化しました。ファイルの書式チェックでひっかかっていると思うのですが、これをやらなくても、やっぱりだめです。このファイルはものすごく単純なHTMLなので”メモ帳”で修正した方が簡単で速いですね。リンクの多いファイルだけかと思ったら、簡単なファイルでもやっぱりクラッシュしますね。やっぱりこのソフトはVistaで動かすのは無理なようです。
そうこうしているうちに、1995年のQV-10購入以来愛用しているQV-LINKソフトウェアがついに動作しなくなったことが判明。うまく立ち上がりますし、修正もできるのですが、どういうわけかファイルが全く書き出せない。このソフトはとても軽くて、EOS
5Dの4368x2912の大きな画像でも一瞬でリサイズや切り抜きの処理ができるので使っていました。それにショートカットを全部覚えていたので、ほとんどメニューに触ることなく迅速に作業ができるのも、長年使い続けた理由です。どうやらVistaになってファイル書き出しの命令が変わってしまったようですね。残念。
2007.10.33 Windows Vista困った
Windows Vistaは使い勝手がXPとは少し違いますので、戸惑います。半日使ってだいぶ慣れたのですが、いくつか困った点があります。
- Photoshop Elements 3.0が動かない。インストール時に”動きませんよ”と言ってくるのですが、そう言われても困るので無視して進めると、一応インストールは終了します。データも開けます。しかし、画面表示が変です。修正中に窓枠のようなおかしな絵が表示され、ちゃんと絵が見えません。どうやらグラフィックまわりの関数に互換性がなくなったようです。Vista対応のPhotoshopを買う必要がありそうです。
- PTGui 5.6/Panorama Tools 2.7.0.10は問題なくインストールできました。しかし、最新のPTGui
7.3をダウンロードしようとすると、2006年8月1日以前にライセンスを購入した人は、追加で支払いが必要、みたいなことを言ってきて、ダウンロードできません。25ユーロ(約4,000円)なので良心的なのかもしれませんが、面倒くさいですね。当面は5.6バージョンを引き続き使います。それより深刻なのは、コントロールポイントを移動することができなくなってしまったこと。以前だとコントロールポイントをドロースルーすれば移動できたのですが、Vistaでは小さなわっかが表示されるため、うまく移動できません。タブレットペンでドロースルーする方法が変わったのかもしれません。
あとエアエッジの設定ができれば、だいたい使える状態になります。しかし、Photoshopどうしようかなぁ。
2007.10.32 パソコン購入
新しいパソコンを何にしようか一日悩んだのですが、結局前と同じSony VAIO type
S(VGN-SZ74B/B)にしました。結構重いのですが、一応フル装備で、これ一台で何でもやろうという作戦です。選んだポイントとしては、
○ 13.3型WXGAの画面で何とか仕事がこなせる。
○ CPUがCore 2 Duo T7300(2GHz)で、モバイルノートの中では速い。
○ 光学ドライブが内蔵されている。
○ PCMCIAとExpressCardスロットが両方付いている。今はPCMCIAが必要だが、将来はExpressCardに移行。
○ メモリーがDDR2 667対応で、最大4GBまで搭載できる。
○ MS Office Personal 2007が附属している。
○ 160GBのハードディスク内蔵。
○ スペックの割りに、安い。
盛りだくさんなので、そのぶん1.98Kgと重いのですが、これは我慢します。最後までVAIO
type Tと迷ったのですが、やぱりPCMCIAスロットがないというのがネックになり、やめました。軽くていいんですけどね。次に買うときには、もうPCMCIAは多分いらないでしょうね。
立ち上げてみて驚いたのですが、液晶の色が全然違います。古いVAIO S(VGN-S73PB)の液晶がずいぶん黄色く、新しいパソコンの液晶はずいぶんシアン寄りです。自分のホームページを見て、全然印象が違うので驚きました。それともWindows
Vistaのせい? ちょっと調整を試みたのですが、簡単ではなさそうです。
2007.10.31 AUCTION TEAM KÖLN - 9
KÖLNから回答がありました。”プレミアムメールで保険なし”というのを私が選んだので、German
Post (DHL)、多分ドイツの郵便局がDHLの代理店をしている、を使った。他の方法を使うと送料が2〜3倍高い。但し、郵便局の伝票番号はドイツ国内でしか有効ではなく、後で自動的に付けられるDHLの伝票番号を知ることはできない。3日から10日で到着するので、辛抱強く待て。
郵便局は世界中どこでもEMS(国際スピード郵便)だけを扱っているものとばかり思っていたのですが、ドイツは事情が違うようです。しかし、送料に9,400円も払っているのに、Webでトラッキングできないのは時代遅れですね。まあ、どうしても心配なら、保険付きを指定すればよいわけで、私の要求も若干矛盾するわけではありますが。
2007.10.30 WestLicht Photographica Auction
ヴェストリヒトのオークションには参加したことがないのですが(何しろケルンのオークションに一回参加しただけですので)、カタログが参考になります。レンズのシリアルナンバーと推定製造年が記載されているので、これから他のレンズの製造年を類推することができるわけです。次回のオークションは11月17日ですので、興味のある方は覗いてみて下さい。残念ながら、私が欲しいレンズは出ていないようです。
2007.10.29 AUCTION TEAM KÖLN - 8
オークションから12日目、AUCTION TEAM KÖLNから発送した旨の通知がありました。ただし、輸送業者の名前や伝票番号が書かれていないので、問い合わせました。伝票番号さえあればWebで輸送状況がすぐ分かる時代なのに、不親切ですね。
メールをよく読むと、We will send out your parcel today. と書いてあります。まだ送っていないようですね。これじゃ本当に送ったのかどうかさえ分からないし、伝票番号が分かるはずもありません。何で先に送ってからメールを出さないのか不思議ですね。これで、We
wish you a good receipt. なんて書かれると、なおさら不安になります。
”x月x日にEMSで発送。y月y日に到着予定。伝票番号はzzzzz番。Webで追跡の方法は次の通り。詳細は添付のインボイス参照のこと。” でいいと思うんですけど。
2007.10.28 10月末のトマトと胡瓜
息子が無肥料、無農薬で育てていたトマトと胡瓜が今頃になって実っています。全く肥料分のない庭に5月に種まきしたので非常に生育が遅く、本来の収穫期である7月〜9月にはほとんど実りませんでした。トマトも胡瓜も花は咲くものの、すぐに落ちてしまいました。やっぱり肥料をあげなくちゃ実らないものなんだなぁと思っていました。10月になってそろそろ撤去しようかと思ったのですが、少し実がつき始めているので、そのままにしておいたのです。すると10月末になってから、トマトと胡瓜が少しですが収穫できたました。多分真夏は暑すぎて体力のないトマトと胡瓜には厳しすぎたのかもしれません。厳しい環境の中で体力を蓄えて、実を付ける時期が来るのを待っていたようです。
2007.10.27 AUCTION TEAM KÖLN - 7
オークションから9日目、銀行振り込み手続きから5日目に梱包手数料と送料の通知がきました。2Kgで総額56.23ユーロ(約9,400円)でした。これはクレジットカードまたはPayPalで支払うことができます。PayPalが一番簡単で安全ですね。高額の支払いは銀行振込みしか許されない場合が多いのですが、手数料が4,000円程度かかりますので、小額の支払いには向きません。
従って、銀行振り込みで支払った落札金額、落札手数料、手数料に対するドイツの税金以外に、送金手数料、梱包手数料、送料で13,400円かかったわけです。この後さらに成田で消費税相当の税金がかかります。だいたい輸入総額の3%くらいですね。これはEMS(国際郵便小包)の場合は代引きとなり、FedExなど場合には後で請求書が届く形になります。この場合Postalと書いてあるので、多分EMSでの発送になるかと思います(また、FedExだと送料だけで多分これより高い)。自分で受け取れない可能性がある場合には、受け取ってもらう人にあらかじめお金を渡すか、立て替えるよう依頼しておかないといけません。まあ、一旦受け取り拒否してもらって、後でお金を持って郵便局に出向いてもいいんですけど。
2007.10.26 8GB CF (2)
8,990円で買ったA
DATA社のGB CFですが、通常撮影でFull CFにしてみました。特に問題ありませんでした。画質は全て、JPEG Laege Normal
(4368 x 2912)です。
フォーマット後の容量: 7.7GB
総枚数: 3,926枚
撮影日: 9/22 - 10/21。ちょうど一ヶ月。土日祝が12日あったので、一日当たり327枚。
撮影上は何ら問題はありませんでした。CFの中のファイル数が増えると、若干表示が遅くなりますが、EOS
5Dでは日付ジャンプが使えますので、これも大きな問題ではありませんでした。
パソコンにコピーするとき、カードバスのアダプタを使っても、とても遅いことがあります。これはPC側の問題のようでして、コピー元あるいはコピー先のフォルダーが画面上に開いていると遅いようです。どうやら画面のファイルリストのアップデートにCPUを使うため遅くなるようです。これらのフォルダーを閉じておけば、特に遅くはありません。
ということで、8,990円の8GB CFは、おすすめしても問題なさそうです。
2007.10.25 AUCTION TEAM KÖLN - 6
さて、いよいよ"Plasmat
1:2/9cm"の登場です。1秒、2秒、3秒、4秒。誰も入札しません。終了間近の警告が出たところで、おもむろにボタンを一回だけ押します。はい終了。見事に開始価格で落札ができたのでした。
eBayからはすぐにメールが来ました。出展者に経費を含めた最終支払い価格を聞いて、支払うようにというような内容です。ところがAUCTION
TEAM KÖLNからは、なかなか連絡がありません。3日くらいしてやっと請求書が届きました。落札件数が多いので、請求書発行まで、しばらく時間がかかるようです。忍耐が必要ですね。
入金確認後、梱包を開始するので早く受け取りたければ、早く入金しろみたいなことが書いてあります。発送には2種類あって、プレミアム(1〜2週間)とエコノミー(3〜4週間)。早く欲しいので、プレミアムを選択。早速銀行振り込みをしました。保険をかけるかも聞いてきましたが、まあ、必要ないでしょう。
梱包終了後に、梱包手数料と送料を知らせると書いてあります。これが届いてから支払いし、その後やっと発送となりますが、まだ連絡はありません。プレミアムを選んでも、そんなに早くは届かないですね。
2007.10.24 AUCTION TEAM KÖLN - 5
これからオークションを行う予定の物のリストが順番に数十件表示されます。これを待ち構えているわけです。オークションが進むと、お目当ての品がだんだんリストの上に上がってきます。類似の物の入札状況を注意深く観察します。じーっと見ていると、最低価格でしか落札されないもの、どんどん値段がつり上がるものなどいろいろです。だんだん傾向が分かってきたような気になったのですが、実際は多分何も分かっていません。ひとつだけ言えることは、予想落札価格より安く落札されるものが結構多いことです。
さて、いよいよお目当ての物の順番が近づいてきました。いよいよ10件後に初の入札です。おっと、ここで急に画面が止まりました。そして見慣れないメッセージが。そうです、20分間のトイレ休憩です。
トイレ休憩直後のものは、入札終了までたっぷり時間をとります。手も洗わずにトイレから駆け出してくる人を待つわけです。
2007.10.23 AUCTION TEAM KÖLN - 4
AUCTION TEAM KÖLNのオークションはドイツ時間の午前11時開始ですので、日本だと午後7時くらいからです。私が落札した品は土曜の午後9時頃でした。日本からはライブで参加しやすい時間帯です。アメリカだと土曜の午前2時ですので、eBayの入札予約を使う人が多いと思われます。
さて、いよいよオークションの時間です。夕食を食べた後、パソコンの前に座って、eBayからライブオークションに参加します。eBayのアカウントであらかじめ主催者の許可を得ていますので、簡単にログインできます。既に画面上に一件ずつお宝が流れています。
操作は簡単です。画面に商品説明や状況説明とともに一個だけ値段の書いたボタンが表示されますので、これを押すか押さないかのいずれかです。他の人が入札するとボタンに書いてある金額が決められた単位だけ上がります。数字などを入力する必要はありません。また、その暇もありません。一件当たり5秒から10秒のものすごいスピードでオークションが進みます。物が多いので、それでも終了までには5〜6時間かかるようです。
入札単位は次の通りです。
入札金額(ユーロ) | 入札単位(ユーロ) |
0-99 | 10 |
100-299 | 20 |
300-399 | 30 |
400-499 | 40 |
500-799 | 50 |
800-999 | 100 |
1,000-1,999 | 200 |
2,000-2,999 | 300 |
3,000-4,999 | 400 |
5,000-7,999 | 500 |
8,000-15,999 | 1,000 |
16,000以上 | 2,000 |
2007.10.22 AUCTION TEAM KÖLN - 3
AUCTION TEAM KÖLNのオークションはドイツのケルンで行われます。”カメラ、写真&映画”のオークションは年に4回行われ、直近では10月13日に行われました。これに初めてeBayのライブオークション経由で参加したわけです。
最近は便利になって、出品される予定に物の写真と説明がeBayで見られます。もしろん開始価格、予想落札価格なども書かれています。質問があれば、出展者に問い合わせることができます。
eBayを見て、じっくり欲しいものを探します。私の場合中将姫光学さんから紹介して頂いたので探してはいないのですが、本来ならこれが一番楽しい時間ですね。もうひとつ紹介して頂いたものにAskania
Kino-Anastigmat 1.8/75と同1.8/50のついた映画用カメラがあったのですが、こちらは結構高く落札されました。
他にめずらしいものでは"Globe-Plasmat VL nach Dr. Rudolph (140°) F
= 112 mm"というのが出品されていました。これは説明文があまりにも怪しいのと、価格が高いので、だれも入札しませんでした。これ1個しか存在が知られていないらしいです。
もしここで入札を決断した場合、eBayからabsentee bidsという形で入札の予約をすることができます。これはオークションの2時間前まで利用可能です。自分が入札できる最高額を入れておけば、自分は何もしなくても、eBayが他の人より少しだけ高い価格を自動的に入札をしてくれます。ですので、他に入札者がなければ、安い価格で落札できます。ライブオークションと違い、落札しそこなうことがないので、大変便利な入札方法です。ただし、その場の雰囲気で入札するかどうか、またその値段を決めるというオークション本来に醍醐味が味わえません。
2007.10.21 VOIGTLÄNDER SEPTON 1:2/50
デッケルマウントのセプトン 50mmです。これも安いのですが、ちょっと試写したところ、なかなかの切れ味です。無理に明るくしていないせいか、開放からシャープでした。
あっさりした刻印。
シリアルナンバーはこの部分に刻印してあります。
何も知らずに買ったのですが、COMPURと書いてあります。シャッターは付いていないのに、一体全体なぜコンパーかという疑問は、すぐに解けたのでした。
回答の前に、マウント部分の解説。後玉が結構出っぱっています。EOS 5Dのミラーとの干渉が心配だったのですが、お店の人がセプトンをマウントアダプタで使っている人が多いとの話を聞いて、多分大丈夫だろうということになりました。
デッケル・ニコン、そしてニコン・EOSのふたつのマウントアダプタをかませてみると、EOSのマウント後方からわずかにはみだす程度。実際EOS
5Dのミラーとは干渉しませんでした。無限遠の問題なし。
さて、いよいよコンパーの回答です。F22の時。
F8の時。
F2の時。そうです、絞りを変えると、ふたつの赤い印が動いて、被写界深度を表示します。この仕掛けをコンパーが作ったんですね。すごく目立つ色で、滑らかに動きます。
これは小さくて実用的です。ただ最短距離が0.9mというのはいただけません。
2007.10.20 AUCTION TEAM KÖLN - 2
まずeBayに登録します。基本的には住所と名前を登録するだけですが、クレジットカード情報を入力する必要があります。登録しただけでは、お金はかかりません。
次にライブオークションに参加するため、オークションに登録します。これは簡単な作業で、OKならメールが届きます。AUCTION TEAM KÖLNは"Old Technology"専門のオークションです。
落札手数料が22.5%で、この手数料部分に19%の税金がかかって、合計26.78%を落札価格に加えて支払わなければいけません。さらに郵送してもらうと、梱包手数料、ドイツからの送料、成田での税金がかかります。支払いは銀行振り込みか、郵便為替などですので、この手数料も必要です。
2007.10.19 AUCTION TEAM KÖLN - 1
以前からKino Plasmat F2 が欲しいと書いていたところ、中将姫光学さんからeBayにAUCTION TEAM KÖLNから出ているとの情報を頂きました。"Plasmat 1:2/9 cm"と書いてあるので間違いないですね。オークションの開始価格を見ると、相場の半額以下ですので、入札してみようかなぁという気になりました。これと同じレンズがドイツの某社でかなり前から1本だけ売りに出ているのですが、レンズの写真が悪すぎる(フードしか写っておらずレンズが見えない)ことから、全然売れず、相場と言えるかどうか分かりません。F1.5のKino Plasmatに比べてF2がどの程度の人気なのかも不明です。
TEAM KÖLNの出品しているレンズの写真は堂々としたものでした。ただし、落札予想価格は開始価格の2倍ほどの値段で、もし値が吊り上ってしまうと、某社で買うのと同じになってしまうわけです。いろいろ迷いながら恐る恐る入札して、初めてのライブオークションは幸運にも開始価格で落札という結果になりました。実際の入手までにはまだ数週間かかりそうですので、本当に幸運だったのかどうかは分かりませんが、少しずつ顛末を書きます。
2007.10.18 ズーマーの巨大フード
ズーマーとデッケル・ニコン マウントアダプタを買ったら、おまけで巨大フードがついてきました。
ズーマー専用のフードで、他に使い道がないのでくれるとのこと。ラッキー。
専用の95mm系巨大UVフィルターもついていたのですが、これは画像に悪影響を及ぼしそうなので取り外しました。コンパスで簡単に取り外せました。
フードを装着したところ。あまりに巨大で、かばんに入りません。しかし、迫力満点です。
2007.10.17 デッケル・ニコン マウントアダプタ
フォクトレンダー・ズーマーが期待をはるかに超える優秀さだったため、やっぱりデッケル
--> ニコンF マウントアダプタを買うことにしました。自作のマウントだとバックフォーカスが正確に出せないため、ズームすると焦点移動が起こってしまします。当初どうせズーマーなんて買っても使わないだろうと思っていたので、マウントアダプタを買う必要はないだろうと思いました。しかし、たくさん撮影しそうなので、やっぱり買うことにしました。
レンズ側から見たところ。
マウントアダプタで絞りの操作を行います。レンズ側には絞り輪はついていません。
デッケル --> Nikon-F --> Canon EOSの順で変換します。
これでEOSマウントです。絞りは、F2までありますが、このレンズはF2.8なのでF2.8のところで止まります。賢いですね。
EOS 5Dに取り付けたところ。
2007.10.16 欲しいカメラ 2 Cマウントのコンデジ
ミラーのないライブビュー専用機のマウントはペンタ6x7がいいと書きましたが、それではカメラが大きくなります。大は小を兼ねるにも限度があります。小さなレンズ用に小さなマウントと小さなCCDを持ったコンデジも欲しいです。Cマウントは16mm映画用で、内径:25.4mm(1インチ)、ピッチ:0.794mm
(32山/1インチ)、フランジバック:17.526mmだそうです。16mm映画用のレンズがそのまま使えれば、コンパクト デジタル カメラで古典レンズが楽しめます。小型なので、旅行や出張に最適です。
2007.10.15 アストロ コントラスト タッカー
CONTRAST TACHAR F:2.3 150 mm U.S. Pat. Jun 9.25 ASTRO G,m.b.H. Berlin No6141
アストロ ベルリンのコントラスト タッカーです。中身は4群4枚のスピーディックタイプです。このタイプはトリプレットの後ろの凸レンズをふたつに割って明るくしています。1900年にエドワード・ボシュが試み、後にテイラーホブソンのH.W.リーがスピーディックレンズ(Speedic
lens)で一般化し、設計の手順を発表しています。このレンズはアストロの W.F.
ビーリケ(W.F. Bielicke)が設計しました。
前フタと後フタを両方取り付けたところ。結構長いです。
少々くたびれていますが、Astro純正レンズキャップがついていました。
フタと取るとこうなります。ヘリコイドから先を交換するようなマウントだったようです。映画用のレンズだと思います。
カメラ屋のシールが貼ってありました。これは新しいものです。
後フタに何か書いてありますが、よく分かりません。
全部ばらばらにするとこうなります。両凹の中玉の取り外せますが、どっちが前だか分からなくなるので、やめときました。
レンズ部分の拡大図。一番後の玉がスピーディックと逆に取りつけてあります。スピーディックが平凸レンズであるのに対し、凸平です。
シネカメラに取り付けるためのオスのヘリコイドがリングを介してついています。
このレンズは5番だったようです。間違わないようにフタに同じ番号が書いてあります。映画監督がカメラマンに5番を使えと指示していたのでしょう。
改造はペンタ6x7の中間リングをヤスリでちょっと削ってレンズをはめ込むだけ。中に板バネが仕込んでありますので、接着剤もビスもなしで強固にくっついています。
ペンタ6x7の内径と同じなので、ケラレる心配はありません。
実はこのやりかたでは、ヘリコイドが長すぎて、本家のペンタ6x7では無限遠が出ません。EOS用の偽ペンタ6x7マウントです。本気でペンタ6x7で使うのなら、ヘリコイドに直接ねじ込む必要があります。
口径は66mmほどですので、表示どおりF2.3ですね。今週末に試写しようと思います。
2007.10.14 VOIGTLÄNDER-ZOOMAR 1:2.8 36-82mm
VOIGTLÄNDER-ZOOMAR 1:2.8 f=36mm....82mm 4933852 WEST GENMANY (デッケルマウント)
古典ズームレンズ初登場です。”写真レンズの歴史” ルドルフ・キングズレーク著 雄倉保行訳 朝日ソノラマ から引用します。
”5群ズームの最初の実用化は1958年にフランク・バックが設計し、ドイツのフォクトレンダーが製作した一眼レフ用ズームである。可動部分が凸なため、ズーム部に実像が発生するが、焦点距離が長いので後群に凸の部分を加える必要があった。固定部分が凹であるために画角を広くすることが可能になり、F2.8で焦点距離を36〜82mmまで変えることが出来た。絞りは後群の固定部分の直前に置いたので、ズーム中に明るさの変化はなかった。唯一の欠点はズーム域の端で歪曲が大きくなることであった。”
1958年というと私と同い年です。一番前のレンズのコーティングがすっかりはげてしまっているので、思い切り安かったのですが、それ以外はきれいです。お店の方も投売りだと言っていました。少しでも難点があると人気はないようです。
デッケルマウントというらしいです。妙に後玉が小さいです。デッケルマウントのレンズをNikon-Fカメラで使うためのマウントアダプタは便利だよ、とのことでしたが、なにしろ値段がレンズの2倍もするので、やめました。Nikon-F用のマウントアダプタが存在するということは、楽勝でEOSに改造できるということですね。
なかなかきれいでしょ。
前玉のコーティングが剥げているので、マウントアダプタの半額ほどで買えたのです。しかし、ここまで剥げていると、かえってさっぱりしますね。中玉のコーティングはきれいなものです。
シリアルナンバーはここに書いてあります。
これが36mm時。
これが82mm時。直進ズームで、全長は変わりません。ズームはズムーズです。
黒いレバーが絞りです。この位置は絞りが閉じた状態。後玉がゆがんで見えるのは、ミラーと干渉をさけるために切り欠かれた部分です。
絞りをガムテープで開放に固定し、EOSマウントを適当に瞬間接着剤で貼り付けて、あっという間に完成。このレンズは先頭の凹レンズ一枚だけを動かしてフォーカシングします。ですので、本来バックフォーカスは厳密に調整しなければならないのですが、素人には難しいです。適当に無限遠よりちょっと向こうまで行くようにしておきました。全群移動で焦点合わせするレンズならこんな心配はいらないのですが。
EOSに取り付けたところ。重いです。キングズレーク氏ご指摘の通り、82mmでは極端な糸巻き型、36mmでは極端な樽型の歪曲があります。特に82mmの歪曲はすざまじく、魚眼レンズを見ているようです。歪曲の方向は逆ですが。
2007.10.13 欲しいカメラ 1 ミラーのない一眼レフ
aufさんから掲示板に書き込み頂いたコメントを引用させて頂きます。私も全く同感です。
”優秀なCanon FDレンズ群をデジタル一眼レフでまともに使えないのは
惜しいですね.望遠レンズを改造してインフが出るようにした例もあ
るようですが,やっぱり絞りは使えなかったようです.あの構造では
難しいですね.ミラーのないEVFデジタル一眼が出るのを待つしか
ないのでしょうか.コシナあたりで出してくれないものか.”
フランジバックの問題は筒を切ることによって解決できる場合があります。しかし、一眼レフのミラーとレンズの後玉が衝突する場合には対策がありません。そこで電子ビューファインダーによるライブビューのみで、ミラーのない一眼レフが欲しいのです。幸いキヤノンの40DとかニコンのD300ではライブビューができるわけですから、ミラーを取り除くことは技術的には問題なくなりました。後は需要があるかどうかだけですね。
ミラーを撤廃したわけですから、ボディーは非常に薄くできます。ここにレンズを取り付ける大きな穴をあけておいてくれればいいわけです。非常に太いレンズや重いレンズを取り付ける場合もありますので、大きくて頑丈なマウントが必要です。例えば、偽ペンタ6x7マウント、あるいは偽ブロニカスクリューマウントがいいです。偽というのは、構造は同じでも、フランジバックがやたらと短いという意味です。偽EOSマウントや、偽Nikon
Fや、偽ライカスクリューマウントや、偽Cマウントというのも考えられますが、大口径レンズには極太でバックフォーカスがほぼゼロのレンズが多いので穴が狭いと入りません。理想的にはフランジバックが10mm程度の偽ペンタ6x7マウントでしょうか。
偽ペンタ6x7マウントであれば、マウントアダプタを使って、ほぼ全てのレンズが使用できるはずです。やっぱり、コシナさんか、シグマさんに頼みに行くしかないかもしれませんね。
2007.10.12 岡崎文次のFUJIC
写真工業 2007年4月号の光学随想 ”コンピュータとレンズ”で、尾関萬里氏は次のように書いておられます。
”ところが、ここに岡崎文次というレンズ設計者がいて、それならレンズ設計のためのコンピュータは俺が作ると途方もない野心をもったのである。彼は1939年東大卒業後富士写真フィルムに入社し、1949年にレンズ設計課長になっていた。この間10年対数表と紙の上での設計作業に勤しんでいた。彼は1948年の科学朝日にIBMのSSECが1948年に稼動した記事(リレーと13,000本の真空管)を読み、俺にも出来ると決心をした。”
無謀な野心を抱く人がいたものです。戦後の日本の活力が感じられます。当時この世の中で最もコンピュータを必要とした計算問題のひとつがレンズのskew断面の計算でした。
”岡崎氏のコンピュータFUJICは1956年に完成した。それは日本で作られた最初のコンピュータであった。”
時に私が生まれる2年前のことです。それはどうでもいいのですが、最後に尾関氏は次のように書いておられます。
”ただいえることはどんなに(計算が)早くなっても、それに見合うレンズはできているわけではないということである。”
コンピュータの進歩ほどはレンズが進歩しているわけではないということらしいのですが、これは逆にレンズはまだまだ進歩するということであり、大いに楽しみなわけです。
2007.10.11 レンズ設計のすべて ハイパークロマチック
ミノルタの小倉敏布氏は”写真レンズの基礎と発展”(朝日ソノラマ)で、ツアイスのパウル・ルドルフがプラナーF3.5の設計で用いたハイパークロマティックという設計手法について次のように述べています。
”しかしこのことは、貼り合わせレンズの屈折率に差を与えるという設計上重要な因子を固定し、自ら6枚構成の持つ自由度を埋没させたことを意味する。計算が不自由であった19世紀末なら、方便として許されても、現代の設計者がこのような方法をとれば、即刻、クビになること請け合いである。”
全く同じ意味のことを、キヤノンの辻定彦氏は”レンズ設計のすべて”(電波新聞社)で次のように述べています。
”この計算合理化の手段を、自由度をわざわざ失った設計だとする批判もよく聞かれる。しかし当時どこまで意識していたかは別にして、実際に新色消し、旧色消し、その組み合わせなどと比較して設計すると分かるようにHyper
chromatic lensを用いても十分に優れたレンズを設計できる。むしろ方針も無く屈折率差を持たせると、収差バランスがうまく取れない組み合わせもある。”
明治時代、ルドルフは計算量を減らすために苦労したが、今はコンピュータが計算してくれるので助かる、といった意味ですね。
2007.10.10 夕焼け
10月8日(月祝)の夕日です。というか、今日は10月8日です。この日記は雑誌と同じで日付よりかなり早く出るのです。EOS
5D + EF17-40 F4で撮影。
雨なので二階で昼寝していると、急に夕日が差し込んできました。夕日が沈むと、夕焼けのはじまりです。(EF17-40
F4)
だんだん赤くなってきました。ただ期待した全天の夕焼けにはならず、西半分だけでした。この頃が見ごろでしょう。
前景に変化を求めて近くの公園までやってきました。このあたりは丘の西側斜面ではありますが、家や木や電線に邪魔されて完全に西側が開けているところはありません。谷本川の堤防まで行けばいいのですが、その前に夕焼けは終わりそうです。
夕焼けもそろそろ終わりです。
2007.10.9 FD MACRO 50mm 1:3.5
CANON MACRO LENS FD 50mm 1:3.5 S.S.C. CANON LENS MADE IN JAPAN 15387
ミニチュア・プラズマート(Hugo Meyer Miniature Plasmat) の性能が実は抜群に良いらしいのですが、本物は本で読んだ以外、見たことも聞いたこともありません。幸いFD
MACRO 3.5/50がミニチュア・プラズマート型らしいのですが、これは中古屋さんで安く入手できますので買ってみました。FDレンズを分解するのは初めてなのですが、その精巧さと複雑さに驚きました。ものすごい高級レンズですね。絞りの設定のリングと自動絞りのリングが二重のボールベアリングのなっているのです。これならスムーズな動きは確実でしょうが、コスト低減は無理ですね。キヤノンがEOSで完全に機械的リンクを排除した理由が分かるような気がしました。
新品同様のレンズですが、ものすごく安いです。中身がMiniature Plasmat型だと知らなければ、3.5/50のマクロを買う気にはならないでしょう。平凡なスペックですので。
この写真はEOSマウントを貼り付けた後ですが、ここにシリアルナンバーと思われる番号が書いてあります。
FDの自動絞りの構造が複雑で、その上ビスが回らなかったので、分解は困難でした。やむを得ず、ぐちゃぐちゃに破壊してしまいました。
これが二重ベアリングの構造です。分解すると大量のベアリングの玉が出てきました。いくらきれいに分解しても、二度と組み立てることはできないでしょう。
ベアリングのボールと、絞りの継ぎ手。レンズの繰り出し量が大きいので、高精度の長い継ぎ手が必要です。絞り輪をマウント側に置くと、やむをえないですね。
FDの絞りは自動絞りのみで、マニュアル絞りにはできそうにないので、撤廃しました。これでだいぶフランジバックがかせげたのですが、それでもまだ足りません。EOSマウントで無限遠を出すには、後1mm削らなければなりません。しかし、そのためには大きな危険が伴います。結局、マクロレンズですので、無限遠はあきらめることにしました。4mくらいまではピントがきますので、それほど不便ではないと思います。
FDの絞り機能を全部捨てて、EOSマウントを貼り付けたところ。後玉がここまで出ていますので、これ以上は難しそうです。
EDの絞り機能を取り除いても、絞り自体は残っており、そのままではF22まで閉じた状態です。バネの方向を変えて、逆にひっぱることで、常にF3.5開放になるようにしました。
完成図。無限遠も出ませんし、絞りは開放のみですが、何とか使えます。数枚撮影すれば、即座にその優秀さが分かります。この程度の改造でも、十分楽しめるレンズです。マクロだけならこんな複雑なことをせず、FDマウントの上からそのままEOSマウントを貼り付けるだけでよいでしょう。
2007.10.8 レンズ設計のすべて Unilite型
WrayのC.G. Wynneが開発し、1944年にUniliteとして販売しているにもかかわらず、このレンズの型のことを後に開発されたXenotar型と呼ぶのはおかしいのではないか、と思っていたのですが、”レンズ設計のすべて” [光学設計の真髄を探る]
辻定彦著 電波新聞社刊 にはちゃんとUnilite型が登場します。ここでUnilite型とXenotar型は次のように区別されています。
”メニスカスレンズの厚いUniliteタイプは大口径に、薄いXenotarタイプは広角に適する。(中略)(Xenotar型は)収差特性的にはGauss省略タイプというよりも、次章で詳しく説明するTopogonタイプの折衷型と見るほうが妥当である。(中略)Gaussタイプの特徴をもちながらGaussタイプより画角特性が良いので、準広角から広角の中口径レンズに用いられる。”
そう言われると、そのように見えてきました。全てのレンズの収差図が示してあるので、類似性が理解しやすいです。(もちろん何となくそう思うだけで、正確に分かっているわけではありません)
2007.10.7 レンズ設計のすべて Miniature Plasmat
”レンズ設計のすべて” [光学設計の真髄を探る] 辻定彦著 電波新聞社刊 を読んで、最も気になるのは次の箇所です。
”このレンズ(Miniature Plasmat)は良いところが無くすぐに製造中止になったといわれている。しかし歴史の教えるところと異なり、このタイプは中口径比のレンズとして良好な性能を得ることができる。戦後にも引き伸ばしレンズやマクロレンズとしていくつかの製品が開発された。El-Nikkor
50/2.8やCanon FD Macro 50/3.5がこのタイプである。50/2.8の設計例を図288に示す。収差図から分かる通り非常に優れた性能を示す。”
キングズレークの本には確かにそう書かれています。収差図を見ると確かに良く、Makro
Plasmat型 50/2.8の設計例より優れています。しかしながら、Miniature Plasmatを見たことはありませんし、売りに出ているとの情報も聞いた事がありません。Canon
FD Macro 50/3.5で我慢することとしましょう。
2007.10.6 レンズ設計のすべて
”レンズ設計のすべて” [光学設計の真髄を探る] 辻定彦著 電波新聞社刊 を何となくアマゾンで買ってみたのですが、一読したところ非常に面白かったです。辻氏はキヤノンで長年レンズの設計をされた後、レンズ設計者の教育なども行っておられます。この本の最もいいところは、キングズレークの”写真レンズの歴史”を参考にして、レンズ設計の歴史に沿ってレンズ設計データの解説がされているところにあります。私の場合、”写真レンズの歴史”をレンズ収集の主な根拠としていますので、非常に読みやすいです。”写真レンズの歴史”では分かりやすくするために科学的データを減らして文学的に表現する傾向がありますが、これに対し科学的な根拠と解釈を与える”レンズ設計のすべて”には、大変説得力があります。
キングズレークの”写真レンズの歴史”を何度も繰り返し読んだ後、その続編を希望されている方には100%満足できる本です。
2007.10.5 英語の構文 否定文
”英語の歴史” 中尾俊夫著 講談社現代新書刊によりますと、英語の否定文の構文は時代によって次のように変わったそうです。古い順に、
I ne know.
I ne know not.
I know not.
I not know.
I don't know.
面白いですね。I know not.のところで止まっていてくれれば、日本語に近かったんですけどね。
2007.10.4 英語の構文 「私です」
英語で「私です」のことを It is me と言いますが、”英語の歴史” 中尾俊夫著 講談社現代新書刊を読むと、昔は別の言い方をしたようです。古い順に、
I it am. (古英語期)
It am I. (中英語期)
It is I. (14世紀)
It is me.
It's me. (17世紀から縮約形がはじまる)
もし私が英語の教師なら、これは使える話かもしれません。もし、I it am. と答える生徒がいた場合、”Fantastic
! 君は古い英語を知っているんだね。もしそうと知らずに話しているとすれば、すごい英語のセンスだ。きっと先祖にイギリス人がいたに違いない。” なんて、でまかせを言って、おだてることができるわけですから。
2007.10.3 Pentacon Sixの中間リング
Pentacon Sixの中間リングです。4本セットで箱入り。
ほとんど使われていないようです。なかなかしっかりした作りです。東欧のバレルレンズを一旦ペンタコンシックスの改造して、さらにEOSアダプタで使うというのも面白いかなぁと思ったわけです。
ポーランド語の新聞に包まれていました。全く読めません。
箱の裏にボールペンで何か書いてありましたので、早速この中間リングとビオメター
2.8/80を使って接写。解読不可。1,050.-と読めますが、単位不明です。
2007.10.2 Biometar 2.8/80
Carl Zeiss Jena DDR Biometar 2.8/80 9332476
いくら不人気のPentacon Sixマウントとはいえ、ツアイスの中判ビオメターのきれいなレンズが5,250円とは安いです。このロットは1956年から1973年まで出荷されており、はっきりとした製造年は分からないのですが、多分1960年代のものだと思われます。
ゼブラ模様です。ヘリコイドも絞りもスムーズです。
マウントアダプタを介してEOSに取り付けたところ。
2007.10.1 英語の綴り
英語のスペルが実際の発音と違うのは不便です。なぜこのようなことが起こったのか不思議だったのですが、”英語の歴史” 中尾俊夫著 講談社現代新書刊にその回答がありました。
まず、16世紀に印刷が始まりスペルの重要性が高まりました。その後、1755年に出版されたジョンソン博士の辞書がスペルの完成に大きな役割を果たしました。正しいスペルは紳士のたしなみのひとつであったそうです。これに対し、発音はどんどん変わって行き、その結果スペと発音に違いが生じたそうです。同著からちょっと引用させて頂きます。
”綴り字は固定化の傾向を強めていくのに反比例して、発音は英語史上後にも先にもないような大変化、大母音遷移を経験していた。その結果、発音は綴り字に比べて数世紀先を行くことになり、それまでの両社のほぼ一対一の対応関係は大きく破られることになった。”
そうです。英語を綴りどおり読めば、あなたは18世紀以前の英語を話していることになるわけで、外人に通じなくとも別に恥じることはないのです。多分。
2007.9.30 "j"のはじまり
”英語の歴史” 中尾俊夫著 講談社現代新書刊によると、
”また、<i>と<j>も18世紀以前は<i>で表されることが多かった。そもそもこの<i>は上の点がなく、単独のときは他の文字との混同を避けるために上に伸ばされ<I>と書かれた。これが大文字<I>の始まりである。一方、語末のときには数字ij,
iijなどの場合と同じように下に伸ばされた。これが<j>の始まりである。”
”<u>と<v>は19世紀以前は区別されていない”とも書いてあり、アルファベットが26文字になったのは、それほど昔のことではないようです。
2007.9.29 Dallmeyer Speed 改良
以前作ったDallmeyer Speed Anastigmat 1.5/75のピント合わせ用の太いリングですが、アクリル板一枚当たりビス2本、合計ビス4本で固定していました。しかし、持ち歩いているうちにネジが緩んでしまいガタついてきました。これはまずいので、ビスを6本追加し、合計10本としました。アクリルを貫通してしまうと面倒くさいので、アクリルの途中までの小さい目の穴を開けて、ビスをねじ込むという方法にしました。これだとナットを使わないので簡単で、十分な強度が得られます。
後ろから見たところ。後玉の直径はニコンマウントの内径と同じ。
ついでに以前は長すぎたビスを切断しました。このようなネジは、先端を鉛筆のように尖らせる必要があります。前はこれがうまくできなかったのですが、簡単な方法を発見しました。まずニッパーで斜めに切り、180度回して、もう一度ニッパーで切ると、見事な三角錐の形に尖ります。この後、ちょっとだけサンドペーパーをかければ終わりです。良く切れるニッパーを使えば簡単だったんですね。というか、百円ショップで買ったニッパーが切れなさすぎだったのでした。
2007.9.28 クイックフォーカスリング
ペンタックス67のクイックフォーカスリングの安いのがあったので買ってみました。プラスチック製で、大変軽いものです。取り付けようと思ったDallmeyer
Speedには大きすぎて取り付けられなかったのですが、たまたまKino Plasmat 90mmにはぴったりでした。
太ささえ合えば、指でネジを締めるだけでどのレンズにも簡単に取り付けられます。
Kino Plasmatのヘリコイドは270度ほども回転するので、この位置から時計回りに、取っ手が真上に来るまで回します。これでは使いにくく、別のレンズを探したほうがよさそうです。
リングを締め付けるネジの構造がよく、軽い力で強く締まります。これは見習うべき構造ですね。
2007.9.27 レンズの明るさ 5 コンパクト化
明るいレンズを作ると、当然レンズが大きくなり、重くなります。また、大きなフィルムや撮像素子を使おうとすると大きなイメージサークルが必要になり、カメラシステム全体が大きくなります。逆にコンパクトなカメラを作ろうと思ったら、小さな撮像素子を使えばよいわけです。幸い撮像素子を小さくすれば、焦点距離が短くてすむので、小さくても明るいレンズが使えます。焦点距離が短いと被写界深度が深くなり、ちょっと絞ればパンフォーカスになるので、精密なピント合わせがいらないという利点もあります。ですので、昔のハーフサイズのカメラや、8mmムービーカメラや、最近のコンパクトデジカメ、ビデオカメラ、携帯電話のカメラなどは小さくても良く写るわけです。
一般的なカメラは、カメラの大きさから逆算してレンズの明るさを決めることが多いと思われます。ですので、無駄に明るくて大きくて重くて高価なレンズを買うということは、一般人じゃないんだよという主張であり、見栄であると言えます。ところが、この見栄を分かってくれる一般人は少なく、自己満足を唯一の支えとせざると得ない、暗黒とも思える時代が長く続いたのでした。続く。。。
2007.9.26 八十日間世界一周
1872年にジュール・ヴェルヌが書いた”八十日間世界一周”にカメラのことが出ていないかと思い読んでみたのですが、何も出ていませんでした。何しろ80日間で世界を一周しないといけないわけですから、写真など撮っている暇はないわけです。荷物はほとんどお金だけです。すでにこの時代、お金さえあれば世界中どこでも何でも手に入る時代であったようです。横浜にも立ち寄っていますが、上海から来たフォッグと香港から来たパスパルトゥーが、偶然サーカス小屋で会うというエピソードがあるだけです。他に印象に残ったのはお歯黒の婦人が気味悪いということぐらいでしょうか。
面白くて読みやすい冒険小説でした。
2007.9.25 レンズの明るさ 4 明るさの限界
写真工業10月号の46ページにエルンスト・アッベ・イエナ T2.8/50の記事を根本泰人氏が書いておられますが、その中に次のような記載がありますので引用させて頂きます。
”アッベが顕微鏡開発中に発見した「アッベの正弦条件」により、光学設計において球面収差に加えてコマ収差を除去するための基本的指標が初めて確立された。この正弦条件から写真レンズの明るさはF0.5が限界であることが明らかとなった。”
これは初めて知りました。口径1mとかのレンズを作れば、F0.1でも実現できるものだと思っていました。天体望遠鏡とかは、別物のようですね。
2007.9.24 十五少年漂流記
1888年にフランスの作家ジュール・ヴェルヌが書いた”十五少年漂流記”にカメラのことが出ていないかと思い読んでみたのですが、残念ながら何も出ていませんでした。漂流した100トンのヨット、スラウギ号には猟銃8、かも銃1、ピストル1ダース、たくさんの弾薬、そしてヨットに備え付けられた小型砲2門のための弾薬30発がありました。14才以下の少年たちが、これらの武器をたくみに使うのには驚かされます。この武器弾薬のおかげで食料を調達し2年間孤島で生きることができました。ニュージーランドへの帰還に立ちはだかった悪党を撃ち殺すこともできたわけです。また、空砲を使って、霧で迷った仲間に方向を知らせるのにも役立ちます。当時の生活にはいかにたくさんの銃器が使われていたのかが分かって面白かったです。ちなみに、この小説の原題は”二年間の休暇”というそうでして、1896年に森田思軒氏が翻訳したときに”十五少年漂流記”と改題したため、そのままこの題名になったそうです。
2007.9.23 レンズの明るさ 3 望遠と広角
明治時代のレンズは、同じ図面の縮尺を全部変えていたので、焦点距離が伸びれば、レンズの口径も同じだけ大きくなるので、口径比は当然同じでした。クックのトリプレットとかプラナーとかテッサーとかの有名なレンズはほとんどが標準レンズでした。ひたすらフィルムの大きさによってレンズの焦点距離が決まりました。たとえば、35mmフィルムなら50m,
6x6cmなら85mm, 4x5inchなら150mm, 5x7inchなら210mm。
望遠撮影する場合、大きなカメラと長焦点の標準レンズと、小さなフィルムを使って撮影するという方法が一般的でした。ライカでは4x5inchをカバーするHektor
135mmを35mmフィルム用に使っていました。ただし、これではシステム全体が大きくなってしまい、持ち運びが不便です。特に長焦点のレンズに合わせた長い蛇腹を準備するのが困難でした。このため、焦点距離が長いが、蛇腹が短くてすむ望遠レンズも風景写真や記録写真には重宝されていました。
一方、広角レンズは短い焦点距離で大きなフィルムに写す必要があるため、広い包括角が要求されます。これは簡単なことではありません。広角レンズは暗い割りに高価なレンズが多いのはそのためです。一般にレンズの包括角を広げようとすると、暗くなります。たとえば、クックのトリプレットの包括角は、
F3.0 ±22度
F4.5 ±24度
F5.6 ±27度
2007.9.22 レンズの明るさ 2 レンズの名前
戦後になって、35mmフィルムと引き伸ばし機が普及すると、状況が変わります。カメラメーカーが自社のレンズ付きでカメラを販売したため、まずレンズの名前というものがなくなります。構造や明るさが異なっても、ニコンのレンズは全部ニッコール、キヤノンのレンズは全部セレナー後にキヤノン、オリンパスのレンズは全部ズイコーとなりました。
2007.9.21 レンズの明るさ 1 フィルムのサイズ
戦前の写真レンズは、同じ明るさ、同じ名前、同じ構造、同じ包括角で焦点距離(すなわち乾板またはフィルムの大きさ)の異なるレンズが製造されていました。例えば、Kino
Plasmat F1.5, Opic F2.0, Speedic F2.5, Tessar F4.5など。これは引き伸ばし機が普及していなかったため(主に光源が悪かったためだと思われます)、大きな密着プリントを作るには、大きな乾板またはフィルムが必要で、それに合わせた焦点距離のレンズが必要でした。このためレンズの設計図面は100mmで書かれ、50mmレンズはずべての寸法を1/2倍にして作り、300mmレンズは全ての寸法を3倍にして作るという手法がとられました。レンズのカタログにおいて最も重要な情報は、そのレンズで撮影できる最大のフィルムのサイズでした。
2007.9.20 H.W.リー
テーラーホブソン社のH.W.リー氏(Horace William Lee)はイギリスのおける最も独創的な優れたレンズ設計者であることは間違いないと思います。1889年生まれ。1913年から1936年までテーラー・テーラー・ホブソン社で働き、オピックF2、スピーディックF2.5、スピードパンクロF2、テクニカラーカメラ用の逆望遠レンズCooke 35mmF2など数多くの革新的で優秀なレンズを設計しました。1936年から約10年間ロンドンのスコフォニー社で働き、その後パリン社、ついでバーミンガムのアルディス社で働いたそうです。学会誌のレンズや光学関係の記事を多数発表していたそうです。
H.W.リー氏の設計したレンズを幸運にもひと通り入手することができ、現代のデジタル一眼レフに取り付けて撮影できました。噂通りのすばらしい写りです。アサヒカメラ 1993年12月増刊 ”郷愁のアンティークカメラIII レンズ編”を久しぶりに開いたら、アサヒカメラ1939年(昭和14年)5月号の記事 ”写真レンズの話” H.W.リー が出ていました。レンズの製法、種類、主点、包括角度、絞り、焦点深度など基本的なことが書いてあるだけなのですが、何となくありがたく思えた次第です。
2007.9.19 リンクフリーに変更
アクセス数がさっぱり増えないので、トップページにリンクフリーと書いてみました。リンクがまだの方は、とりあえずリンクしてみてください。効果があるかどうか分かりませんが、よろしくお願いします。ちなみに現在のユニークアクセス件数は平均で日に80件です。
2007.9.18 85mm大口径レンズ
写真工業2004年5月号に”中望遠85mm大口径レンズの魅力”という特集があり、大変参考になります。これを見ると、85mm
F1.5クラスのレンズは、1943年のズマレックス 1.5/85、1952年のセレナー 1.5/85,
1953年のニッコールS 1.5/85、1961年のコムラー 1.4/85、同年のエナリート 1.5/85の順となります。その後だいぶ間があり、1975年にプラナー
1.4/85, 1976年にキヤノンFD 1.2/85 アスフェリカルとなります。ニッコールSまではレンジファインダー用であり、一眼レフ用はコムラーとエナがずいぶん先行しています。しかし、あまり話題になった様子もなく、特異な存在と見られていたようです。プラナー(ヤシカ?)のF1.4登場までは、85mmはF1.8かF2.0で十分と考えられていたようですね。標準50mm
F1.4またはF1.8と同じ口径で落ち着いていたらしいのです。
2007.9.17 Ennalyt 1.5/85mm
Enna Werk München Ennalyt 1:1.5 f=85mm C Nr. 2018
EXAKTAマウントのエナリート(エナリット) 1.5/85です。同じレンズLithagon(リサゴン)という名前がついたものもあるようです。写真工業の2004年5月号の”中望遠85mm大口径レンズの魅力”という特集の中にちょっとだけ出ていて気になっていたものです。1961年(昭和36年)発売。第3群分離のダブルガウス型で、5群6枚です。この頃の85mm大口径レンズでは第2群分離が多いようです。例えば、コミナー
1.8/85(1965)、ヘキサノンAR 1.8/85(1967)、ロッコール PF 1.7/85(1968)など。めずらしい第3群分離型ダブルガウスは、さてどのような写りなのでしょうか?
58mmのフィルター枠ですので、そんなに大きなレンズではありません。本体は小さくて軽いです。
大きく見えるのはフードのせいです。このフードがなかなか美しいです。
本体に比べて、フードが大きいですね。
EXAKTAマウントです。EOS 5Dのミラーと干渉します。
EOSのマウントを接着剤で貼って一丁上がりと思ったのですが、そんなに簡単ではありませんでした。まず、ミラーと干渉するEXAKTAマウントの切断。EXAKTAマウントは柔らかいので、ハサミでちょきちょき切れます。カナノコを使って切ると、削りくずがヘリコイドに入ってしまいそうで怖いです。
ジャンクのキヤノン、タムロン、シグマから取ったマウントを試したのですが、どれも厚過ぎて無限遠が出ません。レンズをマウントの中に1mmほど埋め込む必要があります。やむを得ず、レンズのフランジ面を少し削って、タムロンのマウントに押し込みました。これだと、無限遠より1mmほど引っ込んでしまいますが、接着面が広く取れるため、接着剤だけで十分な強度が得られます。
これでマウントの中に2mmほど埋め込まれています。
黄色い接着剤を使ったので、結構目立ちますね。無色の接着剤の方がよかったですね。
完成。