2014.9.28 Shinagawa 品川宿場まつり

Camera: Canon EOS 5D Mark II
Meyer Gorlitz Nr. 806994 Primoplan 1:1.9 f=8cm (VP Exakta mount)
DALLMEYER SUPER-SIX ANASTIGMAT f/1.9 F=3" 168376 (VP Exakta mount)
Schneider Kreuznach No 870382 Xenon f:2 F=8cm (VP Exakta mount)
ROSS. LONDON. PATENT 75M/M (3IN) XPRES F.1.9 No 132046
J. H. Dallmeyer LONDON 2212

VP ExaktaマウントのPrimoplan 8cmとSuper-six 3"をお借りしてデジタルと白黒フィルムで撮影。ここではデジタルの分だけ掲載します。白黒フィルムの分は現像後に別途掲載します。どちらのレンズも希少で入手困難です。特にSuper-six 3"はこれ以外見たことがありません。VP Exkta用のレンズ, Primoplan, Super-six, Xenonの三本はRAWで撮影し、現像時にダイナミックレンジ調整を行っています。いずれも絞り開放では柔らかい描写をするレンズですので、カメラまかせのJPEGというわけにもいかず、手間をかけてみました。他のレンズはカメラまかせのJPEGです。
品川宿場まつりの時代行列の皆さま、快くモデルを引き受けて頂き、ありがとうございました。


Meyer Gorlitz Nr. 806994 Primoplan 1:1.9 f=8cm




F=1.9, Right: Pixel crop
1937年頃ドイツのゲルリッツのマイヤー社で製造されたNacht (VP) Exakta用のレンズ。レンズ構成は4群5枚でエルノスター型に分類されます。しかし、絞り開放からシャープなエルノスターとは違い、ソフトな描写をします。肌が滑らかに描写できるように調整されているのだと思います。一般的な58mmのPrimoplanともかなり異なる描写をするようです。


DALLMEYER SUPER-SIX ANASTIGMAT f/1.9 F=3" 168376





F=1.9, Right: Pixel crop
製造年ははっきりしませんが、たぶんこれも1937年頃、ロンドンのDallmeyer社で製造されました。4群6枚の典型的なダブルガウス型のレンズで、開放では柔らかですが、絞るにつれてどんどんシャープになります(多分)。デジカメだと高速シャッターが使えるので絞り開放で撮りました。私のVP Exaktaは高速シャッターが不安定で低速シャッターしか使えないため、白黒フィルムの方は少し絞りました。現像後にシャープな写真が出来てくるはずなのですが。レンズが優秀なためか。光線の関係か、モデルさんが良いせいか、上品に見えます。


Schneider Kreuznach No 870382 Xenon f:2 F=8cm








F=2.0, Right: Pixel crop
1935年にドイツのクロイツナッハのシュナイダー社で製造されたXenon 8cmも4群6枚のダブルガウス型のレンズです。柔らかい中にも鋭い切れ味があるような感じがします。他のレンズ同様に、光線の状態によって印象が大きく変わります。どんな光線状態でもきれいに写る現代のレンズとは違い、光線を選ぶ権利と義務があるような気がします。


ROSS. LONDON. PATENT 75M/M (3IN) XPRES F.1.9 No 132046









F=1.9, Right: Pixel crop
1936年頃ロンドンのロス社で製造されたXPRES 1.9/3"です。絞り輪に大きなレバーが装着された痕跡がありますので、映画用のレンズだと思いますが、素性ははっきりしません。最近ではさっぱり売りに出なくなりました。描写は同じレンズ構成のSuper-SixやXenonに似ています。


J. H. Dallmeyer LONDON 2212

















F=3.6, Right: Pixel crop
1861年(文久元年)にロンドンのダルマイヤー社で製造されたレンズ。ダルマイヤーはドイツからの移民で、以前ロス親方の店で働いていました。ロス親方に気に入られ、、親方の娘と結婚しました。ロス親方が亡くなった後、義理の兄と共同でロス社の経営に当たりますが、あまりうまくいかなかったようで、1860年に独立します。このレンズはその翌年に製造されたペッツバール型のレンズです。シャープでコントラストが高く、ピント合わせも楽。江戸時代の装束を着た方に協力を得やすいレンズです。
この後、ダルマイヤーは新型レンズを次々に設計します。1861年トリプル・アクロマチック F10、1866年ラピッド・レクチリニア F6などです。ラピッド・レクチリニアは商業的に成功を収め、イギリスの代表的なレンズメーカーへ成長しました。