2016.8.21 Ginza 銀座
明治30年頃にパリで作られたE. MAZOという木製カメラのテスト。このカメラはテールボードカメラと呼ばれ、フロント、リアとも全くティルトできない構造なので軽量です。
フロントは上下左右にシフトできます。ティルトできないのはストレートなポートレートには好都合です。特に重いレンズを取り付けた場合、
誤ってレンズが下方にティルトすることを防止できます。
元々は5x7の乾板用だったのですが専用のプレートホルダーが二個しかないので、
Deardorff 4x5 (baby deadorff)のスプリングバックが使えるように改造。改造に問題があり、残念ながら全てのフィルムに無残な光線漏れ。
カットホルダーとカメラの間にわずかな隙間があり、ここから漏れた光がフィルムを感光させてしまったようです。
カメラの下方の光線漏れは問題にならないのですが、側方は問題で、上方は致命的です。光線漏れの程度が軽い写真を数枚掲載します。
他の写真はあまりにひどくて掲載できません。ただしこれは屋外で撮影した時の話しで、室内で試写すると問題ありません。早速対策をしました。
Canon EOS 5D Mark II + Darlot Paris 100mm F3.6 (1860s)
E.MAZO Paris + A.Ross London 6008 (1859)
フィルムの近くの上方のスリットから漏れた光は、直進性があるためフィルムの上1/3には当たらず、下2/3に当たります。
フィルム上の画像は上下反転しているので、画像では上2/3に光線漏れが顕著に見られます。
古い木製のカットホルダーを使っていた時、引き蓋カブリがひどかったので、抜いた引き蓋でカメラ上部を覆っていました。これをやると光線漏れが軽減されます。
これをやっていないカットは全く救いようがありませんでした。